代表としての決意
その後、秋田さんは代表に就任されたそうですね。
はい。2023年の11月に代表に就任しました。
といっても、最初は売上を上げることばかり考えていました(笑)
そんな折、利用者さんから
「工賃を上げてほしい」とか
「一般就職したいけど求人がない」
さらに、ある利用者さんから
「どうして障害があると面接がうけられないんですか」と聞かれたことがあって、どう答えていいかわからなかったんです。
彼らが感じる生きづらさを知るうちに、共に歯がゆさを感じるようになりました。
就労支援でも一般雇用と同じくらいの給与を出してやる!と思うようになったのは、私に悔しい思いを伝えてくれた利用者さんに、「障がいがあるっていうだけで、ほかの人とちがう扱いを受けて悔しいよな。
でもね、それを変えるのは障がいをもっている人が社会で活躍することでしかできないんだよ。大丈夫!君たちなら絶対に変えられる!」って話したんです。
そこからですね。
私の中で、(株)トゥー・トゥーという会社を使って、「支えられる福祉から支える福祉」を実現していこうと思うようになりました。
「支えられる福祉から支える福祉へ」とはどういうことですか?
障がい者って、社会的には税金で支えてあげなきゃいけない人たち・・・という認識があります。それは助かる面もあるんですが、障がいをもっている人たちがその認識に甘えたり、実際、一般社会に出るときに大きな壁になったりもするんですよね。
だから、ただ支えられるんじゃなくて、障がい者も社会の一員として、社会の中で何か貢献できることを見出し、支える側になってほしいなと思っているんです。
その1つが一般就労です。人口が減ってきているこの時代に、障がいがあるからって、力がある子たちが、就労支援にいるのはをもったいないなと思っていて、少しでも一般社会で働いて社会の力になってほしい。その環境づくりをしています。
今後、どのようなビジョンをお持ちですか。
「障がいをなくす」ことです。
これは「そんなのムリに決まってるじゃん!」って言われそうですが、私は本気で障がいはなくせると思っています。
私自身がかつて生きづらさを感じていたように、障がいがあることによる生きづらさを、彼らも感じてきたんだと思います。
そういうのが重なり合ってね。なんとかしたいなって。
私はこの仕事を通し、障がいをもつみなさんと関わっていくうちに
自分と向き合うことになって、私が私の心を理解できるようになったんです。
そしてその結果わかったことは、自分の生きづらさをつくっているのは、ちょっと残酷なんですが、弱さを受け入れない自分自身なんだということでした。
これは、私も気付いた時衝撃だったんですが、とても本質的なことなんです。
ただ悩みを聞いてその場を解決するだけでなく、根本から変えることで障害をなくす。そうなると、おのずと自分「らしく」、「なりたい自分」で生きられる人たちが増えるのではないかと思っているんです。
私の残りの人生はここにすべてを注いでいきたいと思っています。